[ə] e
→ e が表すあいまい母音の音です。語末の -e, -en の e, 接頭辞の be-, ge- の e の音です。唇や舌に力を入れず, 口を半開きにして弱く短く「ェ」と言います。アクセントが置かれることはありません。
∗ 語末の -el, -em, -en では, e [ə] の音が省略される傾向にあります。
∗ ehe [éːə], nähen [nɛ́ːən] などは2音節語です。h の後ろの母音 e [ə] は音節を形成します。この場合, h は音節の境界を示すのみで無音です。前の母音の後, 一瞬喉で息を止めるようにして [ə] を発音します。音節の境界前後の母音がつながって「エー」「ネーン」のようにならないように気をつけましょう。
[ɐ] r er
→ r が表す母音の音です。語末・音節末の r の音です。語末の -er, -ern などでは, er の2文字で [ɐ] の音を表します。[ə] のときよりもやや口を開けて, 弱く「ア」と言います。
∗ 音節が er で終わっても, er の他に母音のない語や接頭辞 er-, ver-, zer- では, er の r のみが [ɐ] の音を表します。例えば der の発音は [deːɐ] で, [dɐ] ではありません。
∗ eher [éːɐ], näher [nɛ́ːɐ] などは2音節語です。h の後ろの母音 er [ɐ] は音節を形成します。この場合, h は音節の境界を示すのみで無音です。このように語末の er の他に母音がある場合, er [ɐ] は長めに発音します。
音節の頭になる場合 (lehren) を除いて, r は語中でも長母音の後で [ɐ] と発音します (lehrst)。日常の発音では, 短母音の後でもしばしば [ɐ] の音になります。
[ə] [ə] [ə]
[ɐ] [ɐ] [ɐ]
つづり字を見て発音してみよう
[ámə] amme amme amme
[éːə] ehe ehe ehe
[áːnən] ahnen ahnen ahnen
[mɛ́nɐ] männer männer
[iːɐ] ihr ihr ihr
[éːɐ] eher eher eher
nah [naː] nahe [náːə] nahen [náːən]
nähe [nɛ́ːə] näher [nɛ́ːɐ] nähern [nɛ́ːɐn]
チャレンジ!
ドイツ語の単語を発音してみましょう。
★は強音節, ☆は弱音節を表します。2音節以上の語では, 強音節の母音 (青字部) にアクセントを置いて強弱のメリハリをつけましょう。
1音節 ★
ihm [iːm]
nahm [naːm]
Mann [man]
eng [ɛŋ]
er [eːɐ]
Meer [meːɐ]
mehr [meːɐ]
mir [miːɐ]
2音節 ★☆
Name [náːmə]
Nähe [nɛ́ːə]
Mühe [mýːə]
Menge [mɛ́ŋə]
eher [éːɐ]
Männer [mɛ́nɐ]
ihnen [íːnən]
nehmen [néːmən]
nähen [nɛ́ːən]
nennen [nɛ́nən]